ヴィオラ・ダ・ガンバについて

ヴィオラ・ダ・ガンバ(イタリア語:Viola da Gamba)
神谷要結子

スペイン起源とされ、16~18世紀のルネサンス・バロック期のヨーロッパの宮廷、教会、家庭で愛好された弓奏擦弦楽器です。英名:ヴァイオルViol、仏名:ヴィオールViole

 音域により主に大・中・小と異なるサイズがあり、形はヴァイオリンやチェロに似ていますが、楽器を足で挟んで弾くこと(ガンバとはイタリア語で「脚」を意味します)、弦が6~7本あること、フレット(ネックについている突起状のもの)があることなど、構造・調弦・奏法等においてヴァイオリン属とは多くの点で異なります。

 柔らかで繊細な音色と響き、深い味わい、微妙なニュアンスを表現できることが魅力で、合奏及び独奏楽器としてとても人気がありましたが、時代が進み、演奏会などで大きな音量が求められようになると、リコーダーやリュート、チェンバロと同様に、次第に衰退していきました。19世紀末以来の古楽復興運動により復活し、今日ではあらためて、その魅力が見直されるようになりました。

【代表曲】
●ヨハン・セバスチャン・バッハ | Johann Sebastian Bach(独・1685-1750)
 『ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ Sonaten für Viola da Gamba & Cembalo』

第1~3番。ガンバ独特の音色を生かした一本の旋律の素晴らしさが際立つ作品。
バッハはこの他、受難曲や教会カンタータの特別な場面でもガンバを使用しています。

マラン・マレ | Marin Marais(仏・1656-1728)
 『ヴィオール曲集 Pièces de Viole』

全5巻。広い音域と独特の響き、重奏奏法等を生かした曲集。なお、太陽王ルイ14世のフランス宮廷でも活躍した名手及び大作曲家であるマレと、その師であるサント=コロンブとの確執を描いた映画『めぐり逢う朝』は、日本でも紹介され、話題を呼びました。

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